2007年07月06日

美しい喪服の思い出

 eribowの「喪の和服」話を読んで、思い出したことがある。

 まだ、このブログを始める前、3年くらい前のことだ。私が、新卒で入社してから4年間くらい「直属の上司」だった人が突然亡くなった。彼はしばらく前に会社を離れて独立していたので、どうしているかなあ、と思っていた矢先のことだった。いきなりお通夜の案内が来たのでものすごくびっくりした。

 まだ40代だったと思う。亡くなる直前まで普通に働いていたらしい。いわゆる過労死というやつかもしれない。
 一緒に仕事していたとき、飲みの席でいつも聞かされていたのが「女は30(歳)からだよ、着物だよ」だった。当時二十代前半だった私は、このオヤジ何いってんだか、と思っていたものだ。歴史の薀蓄とかも大好きだったなあ。思えば当時、彼は今の私より若かったはずなのに渋い趣味だ。

 愛妻家で子煩悩で、今思えばいい人だった。よく息子の自慢話を聞かされたものだ。彼の葬儀で、初めてその息子をみた。まだ幼い面影のある中学生。父を亡くすには早すぎるよね。

 そして初めてお会いした「愛妻」は、美しい喪の着物姿だった。葬儀の最後に彼女が「夫が好きだった着物を着ました。子育てで忙しくて、なかなか着てあげられなくて、今思うと残念で・・・」と涙ながらに話したのを聞いて、こちらもどっと涙があふれてしまった。
 残念だよねえ、自慢の妻のこんなにきれいな着物姿見られなくて。

 いまだに、彼女の「喪の着物姿」の美しさは心に残っている。あれ以上きれいな喪服姿にはまだ出会っていない。

<eribowのコメント>
 中学生の息子&40代のパパ‥我が家の近未来じゃないですか(><; 他人事とは思えないですね。

 着物好きの配偶者は着物に興味がない、というパターンは意外に多いですよね。(現に私たち2人ともそうだ!)

 こんなことになるならば、もっと着てあげていればよかった、と思われたから、お見送りの日にお召しになったのでしょうね。

>「女は30(歳)からだよ、着物だよ」
 素晴らしいです!そういうことを言ってくれる男の方はエライ。ますます惜しいです。

 ご冥福をお祈りいたします。
posted by mizuho at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 着物つれづれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんだか小説の中のお話のような
じーんとくる話ですね。
Posted by S君 at 2007年07月06日 18:25
S君、コメントありがとうございます!

なんだか、妙に情緒的に書いてしまってますが、脚色はしてないです。「夫のために着た」というのがなんとも切なくて色っぽくて。「着物」に自分の興味が向き始めた頃だったからさらに印象が強かったのかも。
Posted by mizuho at 2007年07月07日 23:50
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